Vol.6「私の事(2)」

 

港町でしばらく宿暮らしをしていたが、ある時、ふいに胸に違和感を覚え、医者にかかった。
私の様な珍しい患者はなかなかいないと言いながら終始笑顔で対応してくれた。
確かに、いくら人間の言葉を話すからと言って猫が人間の病院を訪れる事など聞いた事がないだろう。

時間をかけて診察してくれた医者の診断は私を生んでくれた母と同じく心臓の病だった。

薬はあるが、進行を遅らせるだけで完治はしないという。
私も母と同じ道を辿るのだと思った。

しかし、不思議と私の心は平穏だった。
この歳にして既に死線をくぐる様な色々な経験をして来たからだろうか?
そんな事をくよくよ考えていても仕方がない。ただ、命尽きるその日まで精一杯生きるまでと思うだけだった。

人の良い医者は病状を聞いても顔色一つ変えない少し変わった私の事を気に入ってくれたらしい。
医学では治療の見込みはないものの、山にある占いの館に住む魔女であれば何かもっとできる事があるかも知れないと教えてくれた。
この街には魔女がいるのか。なるほど、私の事ぐらいでは驚かないはずだ。

私の生い立ちや身の上を話した訳ではないが、偶然にしてはできすぎている。
そもそもこの世に存在する本物の魔女の絶対数は少なく、出逢う事も稀なのだ。
こんな時にさえまさかの渡りに船、つくづく魔女に縁がある。

医者はその魔女に連絡を取ってくれるという。
無下に断る事もできず、医者の顔も立てて、その魔女を訪ねてみる事にした。

少し気後れしていたのだが、それには理由ある。

大抵の魔女は生まれた時に既に使い魔がいるものだ。

本来私の仕えるべき魔女はとうの昔にこの世を去っている。
魔女と使い魔は運命を共にするのが常だが、私の場合、盟約を結ぶ前にその相手がいなくなってしまったのだ。
言って見れば私は「はぐれ使い魔」だ。

そんな者のために親身になってくれる魔女などいるのだろうか?
何よりどこの馬の骨ともつかない使い魔を既にいる使い魔が歓迎するはずもない。

とは言うものの、この街に辿り着いて過ごすうちに私はこの街が気に入っていた。
根無し草の旅人生活もそろそろ終わりを告げたいと思っていた。

私の様なはぐれ使い魔に用はないと思うが、一か八か尋ねてみるのも悪くないと思った。

・・・つづく

 

今夜も館の扉が開かれる・・・。

その占いの館の名は「賢者の石」。

 

興味を持たれた方もそうでない方も、一度「電話占い 賢者の石」を訪れてみて欲しい。

きっと貴方にも光芒が降りて来るはず・・・。

 

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