「彼に傷つけられた」
そう言って、別れた男を散々悪者にする女性がいる。

「ひどい男だった」
「絶対に許せない」
「こんなに傷つけられた」
と、怒りに怒っている。

ところが、その舌の根も乾かないうちに、
「でも、復縁したいんです」
と言う。

……なんでやねん。
いや、本人の中では矛盾していないのだろう。

彼が悪い。
私は傷つけられた。
だから私は悪くない。
でも、彼のことは好き。
だから復縁したい。

全部、同時に成立している。

問題はここで「彼が悪かった」という話だけで終わってしまうことだ。
もちろん本当に相手に非があることもある。

浮気をした。
嘘をついた。
約束を破った。
暴言を吐いた。

そういうことなら、
相手の問題として考える必要がある。
けれど、二人の関係が壊れた理由が、
本当に「相手だけ」にあるのだろうか?

そこを一度、自分に問いかけてみる必要がある。
なぜ、彼は離れたのか。
自分には何も問題がなかったのか。

相手への接し方はどうだったか。
自分の要求ばかりになっていなかったか。
相手の気持ちを考えていただろうか。

そういうことを見つめるのは、案外しんどい。
自分にも落ち度があったと認めることは、
自分が悪かったんだと認めることではない。

でも、自分を責めることと
自身の問題点を見つめることを
混同している人は多い。

自身の問題点を認めたくない人は、
いちばん簡単な方法を取る。

私は被害者。
彼が加害者。
これで話は終わる。

自分は悪くない。
悪いのは彼。
そうしておけば自分自身を見なくて済む。

これは一種の自己防衛なのだと思う。
ただし、その自己防衛には大きな問題がある。
自分の問題が、そのまま残る。

そもそも復縁自体がそう簡単なものではない。
もし願いが叶って復縁できたとしても、問題はそこからだ。

自分が何も変わっていなければ、
同じような問題がまた起こる可能性は高い。

「彼が悪かった。だから彼が変われば、うまくいく」

そう思っている限り、
二人の関係はまた同じところで躓くことになる。
「彼が悪かった」という結論だけでは、
関係が壊れた原因を理解したことにはならない。

復縁したいのなら、
「彼は何が悪かったのか」だけではなく、
「私は何が悪かったのか」も見なければならない。

相手に非があったとしても、
自分に何もなかったとは限らない。
そこを認めるのは負けではない。
むしろ、そこを見ることができなければ、
復縁しても同じことを繰り返す。

復縁したいのなら、
相手を悪者にすることより先に、

自分の落ち度を見つめるところから始めたほうがいい。

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